2021年9月25日
高校生の時、サイモン&ガーファンクルのベストアルバムに収録されていたギター・インストゥルメンタル、「アンジー」を聴かなければ、アコースティックギターに取り憑かれることもこんなサイトを作ることもなかったかも。という訳で、agTunes プレゼンツなアコギソロ・プレイリスト第一弾は、アコースティックの聖典「アンジー」の様々なギタリストによるエディションを Spotify で集めてみた。
この曲の作者がデイヴィー・グレアムという人物であることは前述のベストアルバムのライナーノーツで知ったのだけど、それを実際耳にするのは十余年を経た CD リイシューまで待たねばならなかった。この、1962年のデビュー EP に収録された録音を聴いた時は本当に感無量だったなぁ。
グレアムのデビュー後、米フォークリバイバルの影響もあったんだろうが、イギリスでも優れたアコースティックギタリストが相次いで現れる。バート・ヤンシュはその筆頭で、後にジョン・レンボーンらとペンタングルを結成し、ロックシーンにも大きな影響を。1965年のデビューアルバムでのカバーは彼らしい粗っぽいテクスチャーが魅力。
ヤンシュの相棒、レンボーンももちろん「アンジー」は弾いていたのだろうが、公式に録音・発表することは無かった。これは彼の死後に発売された、プライベート録音集からのもの。まとまりに欠けるきらいはあるけど、自由奔放なテクニカルな曲の膨らまし方がゴイスー。
米ミュージシャンのサイモンも、'65年頃に渡英した際に英フォークブルーズシーンと交流をもち、その直後にヒットしたサイモン&ガーファンクルの 2nd アルバムでこのカバーを収録。多くの人がこの端正な演奏で「アンジー」を知ったのでは。メジャーセブンスでの終止がシャレオツでつ。
英ブルーズロック・バンド、チキンシャックも'69年の 3rd アルバムでカバー。このバンドはメンバーチェンジを繰り返しながら今でも活動中なんだけど、弾いているのはもちろん、創設以来のオリジナルメンバーであるスタン・ウェッブ。
英ロックギタリストのギルトラップも、グレアム〜ヤンシュな'60年代の空気で醸成された世代。元々アコースティック寄りかつインスト多めな作品が多かったけど、「アンジー」のカバーは割と近年になってから。持ち味のドラマチックで派手めなプレイですな。
米ルーツロック・シーンで鳴らしたギタリスト、アーレン・ロスも2001年にアンプラグドなギターインストアルバムを発表の際に「アンジー」をカバー。速っ、上手っ。ww
ここまでは既知の録音を集めたものだけど、それ以外にも Spotify 検索で12曲を発見。正直、知らないギタリストばかりだけど、それぞれの個性が窺えて楽しい。プレイリストに纏めたらちょうど1時間程なので、楽しんで頂ければ幸いです。