2021年10月13日
アコギインストにのめり込み始めた'80年頃、ありったけの音源からセレクトした所謂「マイベスト・カセットテープ」づくりが、本サイトでのような表現の原型になっている事は以前にも書いてるけど、今回はド直球にその復刻を Spotify プレイリストで試みようかとw
曲目は当時とは少し違っているけど、ジャンルや時代を極力バラかして、曲順もテンポの緩急や音色(スティール弦・ガット弦)等が交互に来るようにする等、気分アゲアゲなプログラムを目指した事は同じ。さて、曲目紹介。
アコギの革命児による'84年の金字塔アルバムからのトップナンバー。静かな、けれど緊張感あるタップのイントロがオープニングにハマってます。
静かに終わるタップ音に続けて、熱いサンバのリズムを。ボサノヴァの鬼神、バーデン・パウエルの'67年録音。ロック、ジャズに限らず全ての音楽が熱い時代だった。
ラテンな熱気をスラックキー・ギターでチルアウト… と思いきや、ギャビーのギターもまた癒しというよりガッツを感じる熱い音楽。ハワイアン音楽のアイデンティティの支柱が、晩年('78年)に残した録音。
アコギインストってのは言っちゃえばニッチなジャンルだけど、この曲は誰もが知っている大ヒット作。アコギがフュージョン・シーンを席巻しちゃう、しかも黒人ギタリストの手で、という驚きをもたらした'77年作。
当時はジプシースウィングのリバイバル前夜で、ジャンゴのレコもグラッペリとの録音以外はあまり見かけない状態だった。古いとは言え、なぜこんな凄い音楽がもっと広く聴かれないのかと訝った'80年頃。
チェット・アトキンスあたりと比べると知名度は低いけど、カントリーでスリリングなアコギを、と言うとこの曲がイチ推しなのよねー。'67年のデビューアルバムから。
この二人は個別に紹介したいのだけど、収録時間が足りないし、デュオ時のケミストリーもまた捨てがたい… とひとしきり悩み、ペンタングルのデビュー作('68)から。ジャッキー・マクシー(Vo)以外のメンバーが全員参加という感じで、これまた熱い。
スーパーギタートリオ経由でパコを知り、ソロアルバムを聴いた時の衝撃ときたら!! 漠然としか知らなかったフラメンコに一気にのめり込み、最初のワールドミュージック体験になった訳ですな。
デヴィッド・グリスマン主導のドーグ一派を聴いてブルーグラスというジャンルに分け入ったのだけど、その中でも聴き狂ったのがトニー・ライス・ユニットの「マー・ウェスト」('80)。これは残念ながら Spotify には無いので、雰囲気がよく似た'79年の前々作から。
クラシックから一曲となるとイケイケな「アストゥリアス」や「大聖堂」か、いやディープにバッハで、おっと今どきは「サンバースト」だろ、うーんでも繊細なトレモロで覆われたこの曲が入ると色彩が豊かだよなー、と悩んだ挙げ句の定番曲でつ。
目新しい奏法や速弾きという「刺激系」に飛びつきがちだった当時、ベンスーザンが紡ぐ美しいメロディと響きは別格の魅力があった。そして DADGAD というチューニングの奥深さを知ったのもこの人から。
ロックアルバムからアコギインストを探すというのは、今も変わらない楽しみのひとつ。プログレやハードロックからは比較的ネタが見つかり易いのだけど、この凶暴なライトハンドの1分間を超えるインパクトには未だ出会って無いよなー。
メインストリームなジャズアルバムからアコギナンバーを探すのは前述のロックより難しくて、その意味ではパスの「ヴァーチュオーゾ」はもう宝箱のような一枚。1:25 あたり、インテンポでAメロが始まる箇所は何度聴いてもアガりますな。
ロバート・ジョンソンを起点に聴き始めた「戦前ブルース」は最初、ガマンして聴くものだったけど、この呻きのようなスライドチューンはそれが快感に変わったターニングポイントだったかも。銅板に刻まれたその音はボイジャーに乗り、外宇宙に向けてブルーズしている。
パコ・デ・ルシアがワールドワイドで怒涛の進撃するきっかけになった曲。見抜いたディメオラも凄くて、天才は天才を知るってやつですな。パコがカブっちゃうので迷ったんだけど、やっぱり入れない訳にゃ行かない。そもそもパコは別格だしw
前回の「アンジー名演集」に続き、またもや登場。この曲もどうしても外せないのでつ。
シャボン玉ホリデーの Ed でお馴染みのこれ、考えてみたら「アンジー」よりずっと先に耳に馴染んだアコギインスト第一号な訳だな。楽しかった時間もあっという間に過ぎ、ここでお別れです。おやすみなさい… という気持ちに否応無しに持って行かれますw
とまぁ、まだまだ紹介したい曲がいっぱいだけど、ここらで60分テープが一杯ですw いずれまた続編でも。