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    アコギスト宣言!!

    赤崎 郁洋 (あかざき いくひろ)

    2006年1月29日

    日本 1967-3-26 〜 ニューエイジ ガットギター スティール弦ギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    福岡出身の新進アコギスト。'01年から開催されている、モリダイラ楽器主催のフィンガーピッキングコンテストの第一回で最優秀賞に輝いた経歴の持ち主。7歳のころから兄の影響でアコースティックギターを始め、その頃から既にフィンガーピッキングスタイルのソロギタリストを意識していたという。私は彼よりやや年長くらいだが、その頃の日本の音楽シーンではインスト主体のアコギストなどほぼ皆無だったことを思い返すと、彼の目指してきた孤高の境地が少し垣間見える。実際、途中でシェフを目指したこともあった等の紆余曲折はあったようだが、小松原俊のステージに触れて再びギタリストへの志を取り戻したとのこと。そういえば、鉄弦弾きではあっても彼のギタープレイにジャズやブルーズの影は薄く、日本的な情緒やクラシカルな響きが顕著なのも、小松原氏譲りと言えようか。
    世界のギタリスト登竜門「ナショナル・フィンガーピックギター・チャンピオンシップ」への出場も果たし、今後の活躍が期待されるところだ。

    アルバムレビュー

    Rapsodia

    '05年、メジャーレーベルに移籍してのセカンドアルバム。勿論、全編ギター一本でのオリジナルナンバーという真っ向勝負だ。フラメンコを意識したというトップナンバー「Via Andalusia」はアルバム中最も「昂揚度」が高いし、続く「Into The Shine」は朗らかなメロディラインを持つシングルカット向けのポップチューン。どの曲も完成度が高く、時間をかけて磨き抜かれてきたことが分かる。奇を衒うこともなく演奏力は円を描くように完璧だ。敢えて無い物ねだりをするとしたら、「ギター優等生」とでも言ったらいいのか、ギタリストの枠内でキレイに完結したような感じがすることだろうか。
    例えば、天才の誉高いクラシックギタリストの山下和仁がかつて、ビートルズナンバーをクラシック風にアレンジするのではなく、ボーカル・ギター・ベースそしてドラムにいたるまで「完全コピー」するかのような形でギターソロ化したことがあった。この試みは、クラシックファンからは「伝統からの逸脱」に顔をしかめられ、ロックファンからはロックのグルーヴを理解できないイモだと嘲笑われるリスクを含んだ行為だった。けれども山下氏は、かつて心に響いた The Beatles の音の数々を「ギター一本で弾くのだから」と捻曲げることなく、有りのままに鳴らしきってしまいたいだけだったのだ。そんなシンプルな衝動を愚直に実行してしまった彼の心意気に、Beatles ファンの一人として涙が出てしまったのを憶えている。
    多少の破綻を含んでいたとしても音楽的パッションがギタープレイに優先してしまうような試みを、このような力量あるプレイヤーには期待してしまうのだ。

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