2004年7月31日
USA ケルティック/アイリッシュ スティール弦ギター フィンガーピッキング
カリフォルニア在住のケルティックギタリスト。幼い頃はマレーシアやフィリピンで育ったそうである。18歳で帰国してから、Pierre Bensusan の影響でアイリッシュ/ケルティックギターに目覚める。古いフォーク・ミュージックのフィドルやバンジョーを研究し、独自のオリジナリティを作り上げた。好きなギタリストは Alec Stone Sweet だと言っているが、両者の優雅で端正なプレイは確かに共通するところがある。このジャンルでは、Dモーダルチューニング(通称、DADGAD)を中心にしたイレギュラーチューニングを愛用するギタリストが多いが、Baughman 程多くのオリジナルチューニングを持ち、曲毎に使い分けているギタリストは少ないかも(ライブでどうしてるんだろ?)。特に CGDGCD と調弦するオークニー・チューニング(Orkney Tuning)は多くの曲で使用している。
'01年、多くのアコギストを抱える Acoustic Music Resource から。副題に「Celtic, Apalachian, and Swedish Guitar Instrumentals」とあるように、ケルトだけでなくアメリカンミュージックのルーツとして種々のオールドタイムな音楽を掘り下げていこうとする彼のスタンスが窺える。右手親指の付け根を6弦付近に叩きつけて、「チャッ」というリズム音を出す特技を彼は持っているが、これも幾つかの舞曲で効果的に使われているのが確認できる。リズミカルな曲では時折ブルージィなフレーズも織り込まれていて、エキサイティングである。ハズレの曲は無いと言えるが、個人的には最後の二曲、「アメリカン・パイ」にソラミミな「Breton Dance」と、ハワイアンな「Bonnie Wahine」(これも何かにソラミミだ^^)がイイ!!
Pierre Bensusan や Tom Long の様なダイナミックで技巧溢れるプレイと比較すると地味に聞こえるかも知れないが、それは表現の方向性が違うだけで表現のクオリティとして何の遜色も無いことは断言できる。どの曲も淡々としているようで楽曲の美しさが120%出し切れているというか、聴けば聴く程味わい深くて私は好きだなぁ。
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