2005年7月17日
USA 1951-8-16 〜 フォーク ブルーズ スティール弦ギター フィンガーピッキング
Taj Mahal フォロワーを自認する、黒人ブルースシンガー/ギタリスト。彼はニューヨーク生まれだが(現在はスウェーデン在住)、父親がフォークシーンの有名人だったらしく、子供の頃から多くの有名ミュージシャンと接してきたという。そんな訳もあって Eric Bibb の音楽をフォークやカントリーブルースで括るのは間違いでないにしても、シンプルに聞こえる彼のサウンドにはとてつもなく多くの、そして芳醇な先人達の実りが溶け込んでいる。40歳を過ぎてのメジャーデビューではあったが、ここ数年でリリースしたアルバムの充実度は素晴らしく、間違いなく遅咲きの大輪である。玄人好みのミュージシャンなのか、未だに知名度が低いのが不思議でしょうがない。個人的には Keb' Mo' を凌駕する逸材として大推薦したい。
'01年、古いブルースチューンと新曲を取り混ぜて最小限のバッキングでしっとりと聴かせる弾き語り集。17曲中、アコギインストナンバーも4曲含まれているが、いずれも短めのインターミッションという趣で、ギタリストの主張が大声で叫ばれている、という感じは無い。間違いなくこの人は「ギタリスト」ではなく「ミュージシャン」なのである。実際、滋味溢れる彼の歌声はハッとする程素美しく、アコギインストというお宝漁りに汲々とする私を「音楽を聴くこと」に引き戻してくれる。ピアノやスライドギターを配してアルバムでいちばん賑やかでポップな「Wrapped Up In Her Arms」。Taj Mahal っぽくチューバのベースがほのぼのとさせる「My Charleston Dream」。John Fahey へのオマージュだろうか? 不思議な音響感の1分に満たないインスト「Dear John」... これはもうクジラである。捨てるところが無い。アコースティックなブルースでレイドバックしたい日曜の午後、Mary Flower と有山じゅんじ、そして Eric Bibb の3枚があれば完璧な一日になる。アコギスト宣言が保証します。
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