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    アコギスト宣言!!

    Taj Mahal (タジ マハール)

    2004年3月28日

    USA 1942-5-7 〜 エスニック ブルーズ スティール弦ギター

    プロフィール

    ブルーズメンを生業としながら、レゲエやカリプソ、果てはハワイアンまで、ワールドミュージックの権化と化している Taj Mahal は、意外にもニューヨーク生まれ。ジャマイカ人でジャズミュージシャンの父を持つ。「黒い Ry Cooder」と呼ばれることもあるが、実際に彼はメジャーデビュー以前に Ry と出会い Rising Sun なるバンドで活動を共にしている。アコースティック楽器に愛着があるようで、特にドブロやバンジョー等のリゾネイト楽器類を見事に弾きこなす。
    様式化されたブルースを好む多くの生真面目な日本人のブルース愛好家には、Taj Mahal の飄々としていて一所に留まらないフットワークの軽さをもつ「ブルース」は、ちょっと扱いに困るものだったりするかも知れない。でも考えてみて欲しい。奴隷だったアフリカ黒人が賛美歌やアパラチアンソングを故郷の音楽やリズムと融合させて生まれたと言われるブルースだが、こんにちのようにポピュラーミュージックのメインストリームに収まっていなければ、それは南米やポリネシア、アフリカに拡散しながら変化を続けていかないと考える方が不自然じゃないだろうか。Ry Cooder のワールドミュージックへのアプローチがやや学究的なのに対し、Taj のそれはとても非作為的というか、音楽の遺伝子が彼の体を乗り物として進化と拡散を続けているような感じすら受ける。何か煮詰まったような時、Taj Mahal を聴いてみよう。弱った本能に、ズンと効くかもしれないよ。

    アルバムレビュー

    The Real Thing

    Taj はとても多作家で、そのたくさんのアルバムにはアコギインストも沢山含まれているのかも知れない。だから、レコード屋の試聴コーナーでこの'71年発表のライブアルバムを聴くチャンスに恵まれたのはラッキーだった。7曲目「Tom And Sally Drake」がご機嫌なインストなんだ。てっきりバンジョーだと思ったのだが、アルバムインナーにはナショナルギターや5弦ギター(?)の記述はあってもバンジョーは見あたらない。革張りの変わり種ギターなのかしら。ともあれ、ストラミング主体のギター(?)とチューバのマーチベースが、泣けるコード進行上で素敵に絡み合っている。他のナンバーでもホーン隊を加えたエネルギッシュなナンバーと、アコギメインの淡々とした弾き語りの対比が楽しめる。

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