2007年5月13日
イギリス ブリティッシュ・フォーク/ブルーズ ロック スティール弦ギター フィンガーピッキング
主に'70年代に活躍したシンガーソングライター・ギタリスト。彼もまた、'60年代のイギリスで Martin Carthy や Davey Graham、Bert Jansch らが作り出したブルーズ、伝統的なフォークソング、ロック、ジャズが融合したアコースティックギター音楽の流れを汲んでいる。実に雨後の筍の如く多数のギタリストが乱立した訳だが、Dave Evans の技量はその中でもずば抜けていた。他のギタリストよりもインストゥルメンタル・ギタリストに近い位置に居たのに、今となっては語る人も少なくなってしまったのは、短かった活動期間のせいか。現在は殆どリタイア状態で、ベルギーで悠々自適な生活を送りながら不定期にギグでプレイするといった感じらしい。
'74年の同名デビュー作が、'99年に新録音された9曲を加えて再発売された。プロデュースは盟友 Stefan Grossman。どの曲もイギリス人らしい湿度や屈折があって、コミカルなジャケットとのギャップが可笑しい。しかし、四半世紀以上前に録音された14曲と最近録音された9曲とが、空気感みたいなものも含めて全く作風が変わっていないのは一寸した驚きだ。強いて言えば新録音の方が若干明るいというか、眼差しが優しくなっているような気はするが。逆に言えば、デビュー時にすでに彼は老成していたということだろう。旧録音の方には Bert Jansch の「Veronica」のカバーも含まれていて、彼の Bert への憧れが伝わってくる。あの時代の薫りを伝える貴重なギターインストが20曲以上も収められたこのアルバム、ロックシーンまわりを掘り下げる意味でも迷わずチェキでしょう。
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