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    アコギスト宣言!!

    Todd Hallawell (トッド ハラウェル)

    2004年9月20日

    USA カントリー ニューエイジ スティール弦ギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    アコギストの登竜門として名高い、ナショナル・フィンガーピッキング・チャンピオンシップの'97年優勝者が、この Todd Hallawell である。そのプレイを一口で言うなら、堅実でありながら豪快、という印象。それもその筈で、彼はサクラメント州立大やアリゾナ州立大で音楽の学士を取り、イギリスに招かれた際にクラシックギターの作曲家として有名な John Duarte に就いて作曲技法も学んでいる。かと思えば、Chet Atkins Appreciation Society というギターミュージック振興団体に属して主演者も勤める等の側面もあり、アカデミックな素養を持ちつつポピュラーミュージック指向の開かれたスタンスをとる、実に懐の深い実力者なのである。
    現在は、家族や友人達と共同で、アコースティック音楽レーベルの Soundset を経営するかたわら、同レーベルに属するミュージシャンとツアーを行う等の地道な活動を続けている。

    アルバムレビュー

    Before My Time

    '99年、自身の所有レーベル Soundset からのデビュー作。勿論全曲がスティール弦ギターによるインストナンバーの、とても中身の濃い好アルバムとなっている。自作の「Leola Kay」や「Cydney」がとてもキャッチーな良いメロディを持った曲であるのにも驚かせられるが、その他のカバー曲も興味深い。ラテンナンバーのスタンダード「Brazil」や「Tico Tico」や、ロシアのギタリスト兼作曲家 Nikita Koshkin の数曲、John Fahey のブルースチューン「The Last Steam Engine Train」に、カントリーギターのカリスマ Jerry Reed やアイリッシュトラッドギタリスト Pat Kirtley のカバーの数々。果ては Penguin Cafe Orchestra の仕掛け人にして才人の故 Simon Jeffes のナンバーを、バンジョーやらダルシマーを加えたアパラチアンな構成で趣味良くアンサンブっている。これだけのとっちらかったジャンルの曲を演っていながら、聴き終えた後の印象はまったくボヤけることは無い。特に、手垢のついたラテンナンバーをまったくリズム感を損なわないどころか、手元に引き寄せまくって南米のグルーヴを、Chet Atkins らが築いた北米産のそれに換骨奪胎している様は凄い。流行(ハヤり)のタップ奏法等を殆ど用いずに、正攻法一本槍でこれほど骨太のギター音楽を創造できるギタリストはそう多くない。Steven KingDoyle Dykes が好きなヒト、迷わず聴きなさいっ。

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