2004年5月3日
日本 1964 〜 ジャズ/フュージョン ロック ガットギター スティール弦ギター
異能プログレッシブロックグループ Bodage Fruites を率いる、奇才ギタリスト。見るからにサイコな芸名(きど・なつきと読む)からも、型に収まらないアバンギャルドな音楽性が窺える。'00年以降はソロ活動を活発化、ジャズ方面への進出(侵略? ^^;)も企てる等、パワフルな動きは広がり続けている。アコギソロをメインにした方向性もそのひとつだが、ガットギターを手にした彼の佇まいは意外にも清楚でリリカル!? ポピュラーな題材を採り上げて奇を衒わずに淡々と奏でるのだが、いまひとつ聴き手がリラックスできんというか、身構えを解くことができないのは、陰に隠れた狂気を感じ取ってしまうからかな。穿ちすぎ?
'03年発表のソロ第三作。さてさて、コルトレーンやコールマンのカバーでも演っているのか? と思いながら曲名を見ると「黒いオルフェ」や「さらばジャマイカ」、「我が心のジョージア」だってぇ? うーん、これはこれでちょっとコワいか(^^;)。この辺の製作意図はよくわからない、けれどしかし、これがどの曲も美しいのだ。並のギタリストならロングリバーブのひとつもかけて癒しムードづくりに精を出すところだろうが、この非凡なギタリストの指先から放たれる乾いた弦の音は、素っ気無いようでこの上なく清々しい。その中でも、彼が尊敬するギタリストという加藤祟之作の「皇帝」は、緊張と優しさが交差する聴き物。