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    アコギスト宣言!!

    Kaki King (カーキ キング)

    2004年7月31日

    USA 1980 〜 ニューエイジ ロック スティール弦ギター フィンガーピッキング タッピング 女性ギタリスト

    プロフィール

    Michael HedgesPreston ReedEddie van Halen らの遺伝子を濃く受け継ぐニュータイプ女性アコギスト。5フィートの小柄な体に抱えたオヴェイション・アダマスから叩き出されるサウンドにノックアウトされないリスナーはいないだろう。まったく恐ろしいオンナが居たもんだ。
    Kaki King はアトランタ出身で、5歳の時に両親にクラシックギターを習わされている。すぐに飽きて止めてしまうが後年、父親のギター・レコードコレクションを聴いているうちに、タッピングやイレギュラーチューニングを多用したギタープレイの世界を知り、傾倒していく。アコギ奏法においては、当然のように Michael Hedges の洗礼を受け、特に Preston Reed からは直接手ほどきを受けているらしい。
    こんにちではタップでリズムを強調したプレイは全く目新しいものではなくなっており、彼女の強烈な個性を裏付けているのは、それらの鍛えられたテクニックの上で奏でられる音楽性にこそ他ならない。ティーンの頃に愛聴したという The Smith や Joy Division 譲りかと思われるシニカルでダークな世界観、Fred Frith を連想させるアバンギャルドな和音とパッセージ、アフリカンドラムのような力強く複雑なポリリズム。長年音楽と生活を共にしていないとこんな個性は出来上がらないだろうに、彼女はまだ二十歳そこそこ。今はまだ、蓄積したものを一気に放出している状態に思えるが、この先どんな展開や成熟を見せてくれるのか、楽しみである。

    アルバムレビュー

    Everybody Loves You

    '03年、ヒップホップを始め先鋭的なジャンルのアーティストを擁するレーベル Velour からのデビュー作。深紅を背景にしたロリロリなポートレイトのジャケットを目にして、愛くるしさにジャケ買いした人には気の毒と言うしかない(^^)。トップナンバー「Kewpie Station」はミュートされた低音弦が変拍子でトーキングドラムのようなパッセージを連発する、アルバム中最も攻撃的なナンバーなんだから。次の「Steamed Juicy Little Bum」だって Fred Frith ライクな毒がたっぷり。でもご安心を。ノーマルな奏法で William Ackerman のように叙情的に奏でる「Night After Sidewalk」やポップな趣の「Happy As a Dead Pig In The Sunshine」(すげータイトルだ)だってある。個人的には、楽曲の良さと Hedges 譲りの奏法が最もバランス良く結実している「Carmine St.」がお勧め。最後の「Fortuna」末尾の隠しトラックで唄われる、「にゃーにゃー」という可愛いスキャットで救われる御仁も多いかと(^^;)。
    一聴した時は、女の子が懐にサバイバルナイフを隠し持っているような印象を受けてちょっと物哀しかったが、繰り返し聴くうちにその生命力の強さの方に惹かれるようになっていた。ここ数年で最もユニークかつお勧めなアコギアルバムの一枚です。

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