2008年2月17日
ノルウェー 1958-1-30 〜 ジャズ/フュージョン ガットギター スティール弦ギター フィンガーピッキング フラットピッキング
ノルウェーのジャズギタリスト Bjørn Klakegg が奏でる音楽は、(主にECMレーベルによってもたらされた)「北欧ジャズ」というパブリック・イメージを裏切らないばかりか、そこに留まらずにきっちりと時代にリンクした音響的広がりをも持った、ぶっちゃけて言うと極めて筆者好みのサウンドだ。アコースティック・エレクトリックの両刀使いなのは勿論、スライドギターやバンジョー、果ては自作のオリジナル楽器まで駆使して全方位なワールドミュージック指向の音を弾き出し、さらにはその音処理がエレクトロニカ風とも言える鋭利さを醸し出している。音楽的には、ジャズの語法よりはフォークソングのような素朴さを全面に出そうとしているのか、小難しく感じることも無い。Ralph Towner や Bill Frisel のファンならきっと気に入ってもらえると思う。
'05年のセカンドアルバム。パーカッションには、デビューアルバムでもコンビを組んだ Harald Skullerud を、さらにキーボード(主にアコーディオン等で参加)に Kåre Vestrheim という布陣。まるで Terje Rypdal (そういえばこの人もノルウェーのギタリストだ)な轟音ギターのトップナンバーで幕を開けるが、続く「Morning」は可憐なアコギの爪弾きで始まるフォークタッチの可憐な曲だし、その次の「Anna Paolas Waltz」はガットギターが物憂げにリズムを刻むミュゼットっぽいワルツと、最後までアコースティックな感触のナンバーが美味しく届けられるので安心されたし。一曲一曲に盛り込まれた彩とりどりアイディアが、水彩の絵の具箱を連想させる。タイトルどおり、予定の無い週末を静かに過ごす相棒にはもってこいの1枚だなあ。
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