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    アコギスト宣言!!

    Sam McGee (サム マギー)

    2005年12月18日

    USA 1894-5-1 〜 1975-8-21 フォーク ブルーズ スティール弦ギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    フォーク、ブルース、カントリー等のアメリカン・ルーツミュージックに興味を持つ者にとっては、その歴史をひもといていくのは楽しいものだ。100年にわたるシーンの中で、多くの天才達が独自なスタイルを煌めかせ、それが別のジャンルと交差しながら現在に繋がっていく様を発見するのは興奮に値する。奴隷黒人がコットンフィールズで産み落としたブルースの誕生話はつとに語られるが、白人移民の貧農が祖国から持ち込んだトラッドを現在のカントリーやブルーグラスに発展させていく「ホワイト・マウンテン・ミュージック」の歴史も、それに負けず劣らず興味深い。アイリッシュ系の姓を持つギタリスト・シンガーの Sam McGee は、間違いなくアメリカ音楽の黎明期においての重要人物の一人だ。テネシーの農家で生まれた彼は12歳の頃から近所の黒人に教わってギターを弾き始め、やがては伝説的なカントリー・ラジオ番組の「Grand Ole Opry Show」に実弟 Kirk と共に出演するまでになる。そこで Uncle Dave Macon や Arther Smith らビッグスターとの共演が人気を博していく。この活動は、'75年に農場のトラクター事故で彼が不慮の死を遂げるまで続けられたという。唯一神 Dylan の信奉者、Cooder の魔法の指に憧れるフリーク達、Clarence White の神業リックに陶酔するファンも皆、Sam McGee を聴きなさい。全てがそこで繋がっているのだから。

    アルバムレビュー

    Grand Dad Of The Country Guitar Pickers

    Pete Seeger の実弟 Mike のプロデュースの元、'69〜'70年に渡って録音されたアンソロジー。McGee の唄とギターとバンジョーがシンプルに堪能できる好盤。この時彼は70歳をゆうに越えていた訳で、多分にヨレヨレというか衰えが見えてしまうのは一寸哀しいが、それすらも歴史の重みとなって感銘を受ける。全盛時は凄かったんだろうなぁ... さて、ギターインストも満載だ。冒頭からパワー全開の「Sam McGee Stomp」、Blind Blake のラグを彷彿とさせる「Fuller Blues」は Blind Boy Fuller への捧げものかと思ったらさにあらず、友人の為に書いたオリジナル。「Dew Drop」はテネシアンの本領発揮な甘いワルツ。グラスチューンの定番がフィンガーピッキングで聴ける「Blackberry Blossom」等々、他にもたくさん。ギター以外にもフォークの定番「Railroad Blues」や、伝説的なバンジョーチューンの「Buck Dancer's Choise」も、勿論含まれている。まさにタイトルどおり、アメリカン・スタイル・ギターのゴッドファーザーだなと、納得。

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