2006年9月3日
カナダ 1914-5-9 〜 1999-12-20 カントリー スティール弦ギター フラットピッキング
何故かカントリー歌手には Hank が多い。天才 Hank Williams を筆頭に Hank Thompson、そしてこの、ギターの名手 Hank Snow。彼はカナダの生まれだが、少年時代にラジオで流れた Jimmie Rodgers を聴いてカントリーに傾倒、二十歳前にはラジオ出演を果たすようになる。'40年代からはアメリカに進出し、'50年に「I'm Movin' On」が大ヒット(Rolling Stones のカバーでロックファンにも有名)。以後、'99年に没するまで数々の名曲を生み出し、リリースしたアルバムも100枚以上にのぼるという。
あくまで歌が主体のカントリーギターという印象だが、ギターコレクターであったということから分かるように Hank Snow は相当にギターが好きだったようで、その腕前は同時代の専業ギタリスト Arthur Smith にも引けを取らないものだ。昨今の超絶テクに慣れきった耳には、こんなあまりにも人間臭いギターが新鮮であり、愛おしい。
Hank Snow の数多いマスターピースからギターにスポットライトをあててイシューした魅惑のコンピレーション盤。前半の11曲でアコギインスト(!)をたっぷり堪能し、後半のボーカルナンバーで伴奏の妙やキラリと光る間奏を楽しむという構成になっている。それにしてもトップナンバーがハワイアンのスタンダード、「Hilo March」なのは意表を突かれた。お次の「12th Street Rag」は古の名人 Roy Smeck を彷彿とさせる力強いプレイだし、ブルーズもハワイアンもボードヴィルもチャンプルーになった(カントリーの場合、ヨーデルまで混ざってくる ^^)この時代の空気が香しい。それにしても、この時代のギタリスト達ってみんな男臭くって、なんかイイなぁ。
下にあるアマゾンのアイコンをクリックすると、この CD を購入できます。