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    アコギスト宣言!!

    Bryan Sutton (ブライアン サットン)

    2006年3月26日

    USA 1973 〜 ブルーグラス スティール弦ギター フラットピッキング

    プロフィール

    David Grisman や Tony Rice らが先頭に立って革新を進めてきたブルーグラス界も、ドーグミュージックという大きな波からはや数十年。新しい形での世代交代が進みつつある。Bryan Sutton は、今最も新鮮で注目に値するグラスギター・ヒーローの一人だ。'73年生まれというから、年齢的にも脂が乗りきっている時期だし、新旧を問わず沢山のスタープレイヤー達とのコラボも盛んだ。彼がギターを始めたのは8歳の頃で、高校を卒業する頃にはジャズやロックもプレイしてレコーディングまで果たすようになっていたという。その後、カントリーゴスペル歌手のバンドメンバーを務め、Ricky Skaggs のバンドに加入するに至って本格的にブルーグラスに接近するようになる。'00年にはソロ・ギターアルバムを発表し、Dolly Parton のサイドメンとしても活躍する等、まさに順風満帆。
    Sean Watkins やこの Bryan Sutton に共通する軽やかな身のこなしを見て(聴いて)思うのは、一見、原点回帰にも見える昨今のブルーグラスギターの潮流だが、つまりは伝統や形式を自分の個性を際だたせるツールとして上手く使いこなしているギタリストが多くなったんじゃないかって事。旧いも新しいもとっくに呑み込んで、シーンはしたたかに変貌しつつある。楽しいことだ。

    アルバムレビュー

    Bluegrass Guitar

    '03年発表のセカンド・ソロ作。ファーストアルバム「Ready To Go」は Django ナンバーまで含んだ野心的なギターアルバムだったが、ここではタイトルどおり、ブルーグラス直球ど真ん中なコンセプト。グラスの名門 Sugar Hill からのリリースというのもぴったり。思えば、トラッドな経歴の Tony Rice がジャズとグラスを融合させたりして変革に暇がなかったのに対し、ヘテロな音楽環境で生まれ育った Sutton がピュアなブルーグラスを指向するというのは興味深い。Tim O'brien (マンドリン)を始めとする強者サイドメンを得たクインテットで繰り広げられるこのアルバム、ひたすら気持ちイイ!! アパラチアンな香り高いリールにケンタッキーの風薫るワルツ、もちろん「Back Up And Push」や「Beaumont Rag」みたいに超絶ブレイクダウン満載の聴き処もいっぱい。13曲目のボーナストラックやその後の隠しトラックに至るまで、とことん楽しませてくれる。文句なしの良盤ナリ。

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