2005年8月21日
ブラジル 1928-6-1 〜 クラシック サンバ/ショーロ ガットギター フィンガーピッキング
ブラジルはバイーア出身のギタリスト・作曲家。県境付近の小さな村で生まれ、ウクレレやカバキーニョに親しんでいたが、やがてギターに転向。地元で各種楽器を弾きこなすローカルミュージシャンを営んでいたが、二十歳の頃にリオデジャネイロに移って本格的に作曲やギター演奏を学ぶ。それ以降は、ステージやラジオ出演の傍ら後進の育成に携わってきたようだ。
'01年発表。Gismonti や Guinga、Turibio Santos などの多彩なミュージシャン(多くがギタリスト)が結集して作成された、トリビュートアルバム。Nicanor Teixeira のちょっと物憂げで心のひだに分け入ってくるような19のナンバーが、実力派ミュージシャンの手で慈しむように奏でられている。このうち、「Olhos que choram」と「Romaria do Bom Jesus da Lapa」では、Teixeira 自身がギター参加(前者は無伴奏ソロ)している。'77年のレコードデビュー以来となる録音なのではないだろうか。彼の演奏も含め、凄腕ミュージシャンを集めた割には全体的に地味に聞こえるかもしれない。けれど躍動感が旨とばかり思われているブラジル音楽の、静の側面を知ることのできるイシューとして秀逸だと思う。最後の「Velha lembranca」では、御大 Egberto Gismonti が、彼の息子 Alexandre (この時若干16歳!!)とデュオを披露していて、ちょっとした聴きモノかも。