外部リンク
    アルバム紹介

    フラメンコとアランフェス

    2021年11月14日

    最近知ったフラメンコギタリスト、ダニエル・カサーレス(Daniel Casares)について調べていたら、面白いアルバムを出していたので紹介してみたい。

    Concierto de Aranjuez, La Nuna Alejandra

    この2014年リリースの「アランフェス協奏曲/ラ・ルナ・デ・アレハンドラ」は、映画音楽作曲家のアルトゥーロ・ディエス・ボスコヴィッチとのコラボレーションで、目玉はアランフェス協奏曲と、カサーレスが愛娘に捧げたというギターコンチェルト「ラ・ルナ・デ・アレハンドラ」。バックを務めるのはカサーレスの地元で活動しているマラガ・フィルハーモニー・オーケストラで、綺羅びやかな演奏が南スペインっぽい(偏見? ww)。

    フラメンコギタリストが弾いたアランフェスと言えば、すぐに1992年のパコ・デ・ルシアの録音が思い浮かぶ。が、当時これを聴いた時の感想は「うーん、こんなもんかな…」という少し肩透かしを喰らったような印象だった。事前にフラメンコギタリストならでのリズムメイキングが云々という評に触れていたので、過剰に期待してたのかも知れないが。翻って、このカサーレス版なんだけど、まさにリズムが面白い。骨太にフラメンコとして再構築した、まではいかないのかもしれないが、あれこれ工夫の跡が見えるよう。装飾音等でも作曲者に配慮した(ロドリーゴは演奏者が勝手に音符を変えてしまうのを嫌っていたとか)範囲で、独自のカラーを出している。

    自作曲の「ラ・ルナ〜」とそれに続く数曲も、やたらオーケストレーションがドラマティック。編曲はボスコヴィッチなのだろう、まさに映像的なサウンド。フラメンコの世界も確実に裾野が広がってきており、こんな楽しみ方ができるようになったのを素直に喜びたい。下にあるプレイヤーからアルバム丸ごと、お聴き下さいね。

    Copyright © Mariyudu.net 2021