2005年10月30日
USA フォーク ブルーズ ロック スティール弦ギター フィンガーピッキング
オクラホマ出身のアコギ・ユニット。ヒスパニック系の二人組かと思ったらさにあらず、Bosco を名乗るは Bill Lowman、かたや Jorge は Brad Gallagher が本名。なんかこのあたり、日本の GONTITI と通じていて面白い。音楽性もユニット名から連想するラテン系とはほど遠く、John Fahey 〜 Jim O'Rourke 的な流れの延長線上に位置する、アーリーアメリカンなギターミュージックへのオマージュとなっている。事実、彼らが出会ったのは Leo Kottke のコンサート会場だったというし、数年前には O'Rourke の本拠地シカゴに移っている。そんな彼らの紡ぐ音は推して知るべし。
例えば Preston Reed が William Ackerman や Michael Hedges を経由してニューエイジギターの極北に辿り着いたとすると、Bosco & Jorge は O'Rourke を継承して実験的な色合いを強めつつある。いにしえの Tacoma ギタリスト達を同じく祖先にする両者、今の私の興味はこの先どのようにメタモルフォーゼしていくのか見当がつかない後者に向かっている。
'01年発表のデビュー作。P-Vine からのリリースというのがシブい。昨今のギターミュージックにありがちな「シャリーン」てな音じゃなく、埃っぽく乾いたスティール弦ギター(弦も古そう^^)の爪弾きがが、スリーフィンガーを基調にしたシーケンスに乗って奏でられる。一曲目のどよんとした Peter Lang ぽいナンバーに、その後繰り広げられるアヴァンギャルドな「印象派ワールド」を予想して身構えてしまった私だったが、フルートやチェロ、ボーカル等をゲストに迎えたナンバーもあって、意外にニュートラルでポップ、というのが聴き終えた時の感想。長尺ナンバーでゆっくりストーンドしていく「音響的」なものが一寸苦手なので、緊張感がコンパクトにパッケージングされた3曲目「Mikeys Pole」がマイベスト。
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