2007年5月20日
ドイツ フラメンコ ガットギター フィンガーピッキング
ドイツのフラメンコギタリスト。ドイツ人ではあるが、スペインの大バイオール(舞踏家) Manolo Marin や、その他一流どころのカンタオールの伴奏者を勤め上げてきた強者である。新世代ギタリストに属する世代にありながら、Miguel Iven のギターはしっかりと地に足をつけようとする強い意志が伺える。かといってガチガチの保守という訳でもなく、自然に他ジャンルの音楽要素が吹き抜けていくような風通しの良さも備えているという、一種独特な芸風なのである。ギターテクニック目当てではない、違いの分かるフラメンコファンならきっと気に入るタイプのギタリストなのじゃないかと思う。
'07年発表の、初ソロアルバム。なにかこう、スカッと青空に突き抜けていくような爽やかなギターで、これだけ爽快なフラメンコギターを久しぶりに聴いたという印象だ。サウンドは明らかに Paco de Lucia 以降のモダンフラメンコの流れを汲んではいるが、Miguel Iven は慎重に「やりすぎない」ようにストイックに音を組み立てたのではないだろうか。John McLaughlin 作「Zakir」の他は全てオリジナル作というのも彼の力量が現れている。ふくよかで柔らかなコンパス(リズム)、速すぎず慈しみ深いピカード(スケールによるパッセージ)、そして程よくツボに効いてくるカホーンを主にしたパーカッション。いやー、全部イイじゃないですか!! 脂っこさを嫌うフラメンコ好きにはイチ押しでお奨めです。
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