2008年9月7日
フランス ジプシースウィング スティール弦ギター フラットピッキング
Django Reinhardt 率いるフランス・ホットクラブ五重奏団の演奏で印象的なサウンドは? と聞かれると、はやり複数名のリズムギターが一斉に奏でるザクザクとした4ビートのカッティングだろう。この弾き方、その筋じゃ「ポンプ」と呼ばれるらしい。
さて、Django 没後50年を経たフランスでジプシースウィングを流れを汲みながらも、アコーディオンを組み入れてミュゼットの香りも高く、粋で洒脱なプレイが人気の楽団がある。Les Pommes de ma Douche である。そこで華麗なリードギターを担当するのが、Dominique Rouquier。12歳の頃から兄とギターを弾き始め、ご多分にもれずローカルロックバンドで Zepp や Stones をプレイしていたらしい。やがてギター・インストラクターを志して音楽院で学ぶうちに、幼い頃に母に勧められたジプシースウィングに引き寄せられ、さらにはベース弾きの Laurent Delaveau との出会いも果たし、Pommes de ma Douche 結成と相成った次第。とにかく全員陽気でお茶目、サイコーに楽しいステージを見せてくれるらしい。そういえば、ユニット名の「Pommes」はリンゴという意味だけど、前述のポンプと、さらにマヌーシュミュージシャンがよく履く白黒ツートンカラーの靴をひっかけてるんだって。
'03年、Les Pommes de ma Douche のデビューアルバム(だと思う)。「Daphne」や「Swing '39」などお馴染みの Django ナンバーを交えつつ、オリジナルナンバーも含めたこの12曲は、どれもこれもスムースでシック。なかでも Dominique Rouquier 作の「Notabene」は掛け値無しにカッコイイ!! 8曲目「Ça Vole Haut」ではゲストに Tchavolo Schmitt を招いて Dominique とはまた違った男臭いギターが聴ける。Mandino Reinhardt の Note Manouche や、Patrick Saussois の Alma Sinti と合わせて聴きたい、パリ流マヌーシュ・スウィングの傑作。
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