2004年12月25日
ブラジル 1971 〜 クラシック ガットギター フィンガーピッキング
南米作品を中心に演奏活動を行っている若手クラシックギタリスト Graham Devine は、実はイギリス生まれ。8歳からギターを学び、デビューしたての10代の頃にブラジルに移住したという。現在では南アメリカ大学等で教鞭をとりながら、演奏活動を続けている。
Villa Lobos や Leo Brouwer といった作曲家がクラシックギター界において重要な位置を占めるのは説明の必要もないが、ここ数年ではタンゴの Astor Piazzolla やショーロの Joao Pernambuco、ボッサの Luiz Bonfa の作品が自然にレパートリーに取り入れられてるのも、これまた御存知のとおり。Graham Devine は南米音楽を指向するギタリストとして、往々にしてクラシック奏者の弱点だったリズム感の貧弱さを持たない期待すべき存在。上に挙げた作品はもちろん、現在進行形で活躍中のポピュラー畑のアーティストの作品も積極的にとりあげているあたりも目が離せない。
'03年、Naxos レーベルからの南米音楽小品集。Pernambuco や Jobim のナンバーで始まるこのアルバム、なんといっても聴きモノは後半の、Raphael Rabello や Marco Pereira、Egberto Gismonti の作品を取り上げているあたり。南米、とくにブラジルは音楽ジャンルを問わず技巧的に優れたギタリストが多く、今やクラシック・ポピュラー音楽と区別するのがナンセンスになりつつある。この Graham Devine もそんな流れの中、一人の卓越したブラジリアン・ヴィオロニスタとして聴きたい。
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