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    アコギスト宣言!!

    David Grier (デヴィッド グリア)

    2004年12月11日

    USA 1961 〜 ブルーグラス スティール弦ギター フラットピッキング

    プロフィール

    近年、Clarence WhiteTony Rice も超えた!! と評価が高まっているブルーグラス・ギタープレイヤー。それは、テクニックが凄いのも勿論だけど、彼の出す音が先達のギターヒーロー達の誰とも違う、高いオリジナリティへの賛辞だと私は思っている。そしてそれは、様式美が確立されたブルーグラスギターにあってとても困難なことであることも知っておくべきだろう。
    David の父は著名なバンジョー奏者 Lamar Grier であるが、David が4歳の時に家族がワシントンDCからナッシュビルへ移り、父 Lamar は Bill Monroe のグループで演奏活動を始めた。その影響もあってか、David は6歳の頃からギターを弾きはじめたという。しかし、17歳頃にはアコギをテレキャスターに持ち替え、カントリーの Buck Owens から Eric Clapton、Keith Richards といったロックギタリストに至るまで、多くのミュージシャンから影響を受けまくったという。そして、Roland White 率いる New Kentucky Colonels と活動をともにした後、実に多くのミュージシャンのセッションやアルバムに参加することでキャリアを豊かなものにし、着実な才能の開花を果たしつつある。現在は、Mike Marshall や Tony Trischka といった凄腕の機知達と組んだグループ Psychograss で活躍する一方、ソロ活動も充実しまくっている。
    まだ私の聴き込みが浅いせいかもしれないが、例えば Tony Rice が一聴して判る「Rice節」を持っているのに対し、Grier はそんな体臭が希薄だ。だがしかし様々な音楽ジャンルから吸収した多彩なフレージングと音作りの才はそれを補って余りある。多くのリスナーはこの新星グラッサーの音を聴き、あらためてブルーグラスの可能性に思いを馳せたのではないだろうか。ブルーグラスの今後を占う上で、必聴であることは間違いない。

    アルバムレビュー

    Lone Soldier

    '95年発表、Stuart Duncan (f) や Sam Bush (m)、Bela Fleck (bj) その他の豪華な布陣で臨んだ、ブルーグラスユニットによる意欲作。それは殆どの曲が彼のオリジナル・インスト・ナンバーであることからも伺える。ブルーグラスの王道的なトップナンバー「Smith Chapel」、ベースとのデュオで重くブルージーに魅せる「Porkchops and Applesauce」(カッコいい!!)、Tony Rice 譲りのメロウなワルツ「Engagement Waltz」、予測不可能なコード進行とフレージングがプログレッシブな「Alphabet Soup」、ニューエイジからの影響も伺える「Lone Soldier」。
    ジャズ・グラスにありがちだったアドリブソロの応酬による長尺モノもなく、どの楽曲もコンパクトに完成されている。また、やはり Dawg 一派では何故か排されがちだったバンジョーの音色が大きくフューチャーされているのも嬉しい(バンジョー好きなんです^^;)。

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