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    アコギスト宣言!!

    Michael Gulezian (マイケル グレイジアン)

    2004年10月24日

    USA 1957 〜 ニューエイジ フォーク スティール弦ギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    無国籍風でつかみどころの無いギターインストゥルメンタルを奏でる Michael Gulezian は、アルバム枚数こそ少ないものの Takoma レーベルでメジャーデビューを飾り、多くの玄人筋ギター音楽愛好家からリスペクトされたフィンガーピッカーだ。彼の生まれ育った家庭では、母がアメリカ民謡を唄い父はウードで中東の音楽を奏でるという独特な音楽環境があったという。それが浮遊感のある彼のギター演奏に大きく寄与しているのは間違い無い。六歳の頃には音楽家になることを意識していた彼は、クラシックからロックまで幅広い音楽に触れることで自由なスピリットを養っていき、ギタリストとしては Mississippi John Hurt, Bukka White といった、いにしえのブルースギタリストに感化されたことが、彼の方向性を決定づけたのだろう。漂泊のギタリストとなって各地の大学やホールを回りながら録音した自主制作アルバム「Snow」が John Fahey の耳にとまり Takoma からのデビューとなったが、時期としては Takoma レーベルの末期近くであったのは運が悪かったのか。'85年、Takoma 閉鎖後もマイペースな活動を続け、'90年代には再び二枚のギターアルバムを発表して健在ぶりを示している。

    アルバムレビュー

    Unspoken Intentions

    '81年、Takoma レーベルからのメジャーデビュー作。この頃は Windhamhill レーベルも胎動していた時期だが、そんな新しい流れのアコースティックギター音楽と比較しながら聴くといささか古びて聴こえるのは否めない。12弦ギターを駆使して残響豊かなフィンガーピッキングによるフレージングが繰り返され、その向こうからお香の匂いがしてきそうな瞑想音楽的な印象なのは、良くも悪くも Takoma カラーであり、John FaheyRobbie BashoLeo Kottke の影響は大きいなぁと感じさせられる。当時リアルタイムにこれを聴いたらある種の閉塞感も感じたかもしれないが、Michael Hedges などはこのアルバムに大きく影響されたという。そして後年 Gulezian が出したアルバムには Hedges の影響が見える(らしい、私はまだ聴いていないので)。こんな風にしてギター音楽は新旧が相互に影響し合いながら進歩してきたのだと思うと、その過程の一里塚として重要な作品かも。時代に媚びない音楽を愛するリスナーにお勧めの Cool な一枚です。

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