2004年3月20日
オランダ 1972-1-21 〜 ジャズ/フュージョン ガットギター フィンガーピッキング
アムステルダム出身の新進ジャズギタリスト。'95年のモンク・コンペティションで Joachim Schoenecker らを抑えてウィナーに輝いている。
私がティーンの頃はフュージョンブームの真っ只中ということもあり、若くて凄いギタリストが次から次に現れて、憶える暇も無い程だった。Pat Metheny、Al DiMeola、Lee Ritenour といった耳を捉えて離さなかった天才達がそして、現在のジャズシーンを導くようになった今、その大きな影響を受けて Jesse van Ruller という大輪が開花した訳だ。本人は John Scofield に導かれ Pat Martino と George Benson からインスパイアされたと語っているが、彼のアイドル譲りの強靱なロジカルさ、スムースさに加えて半世紀のジャズギターの歴史を垣間見るような、優れて模範的な演奏は誰の耳にも明らかだろう。若さの割に完結しすぎているような感もあるが、それでもヨーロッパジャズらしい耽美さと豊かなイマジネーションから繰り出される聞き飽きないアドリブフレージングの心地良さは、杞憂を打ち消してくれる気がする。今後、どのように展開していくのか楽しみである。
'97年、ギタートリオ編成で収録されたセカンドアルバム。ナンバーの半数がオリジナルということもあり、彼の指向がよく分かる。密やかで滑らかなトーンに支配された印象だけど、それは特に「Where Herbs Are Used」、「Goodbye」、「Touch Her Soft Lips And Part」というガットギターで爪弾かれた3曲によるところが大きいのかも。バンドネオンの音色とアフロなリズムの融合が面白い「Balms And Spices」も、エレクトリックだけど興味深い一曲。最近のジャズギターでは珍しくファンク色が希薄なので、夜のお供にどーぞ(^^;)。
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