2006年12月9日
イギリス 1949 〜 クラシック ガットギター フィンガーピッキング
香港生まれの東洋人クラシックギタリスト。独学でギターを学び、オクスフォード大を卒業した後にロンドンはウィグモアホールでデビューリサイタルを果たす。John Williams や Paco Pena、John Renbourn といったクラシック内外のギタリストと共演し、作曲・編曲の分野でもオリジナルのギター作品を書き起こす等のユニークな実績を持つ。アルバムも既に15枚以上発表しているというから、日本での知名度の低さが不思議なくらいだ。
'89年、Naxos レーベルからの南米ギター曲集。Villa-Lobos や Pernambuco の定番に、Luis Bonfa や Jobim、Baden Powell、Almeida らのナンバー(編曲は Gerald Garcia 自身)ら、硬軟を取り混ぜて織りなすブラジル模様。Gerald Garcia の演奏は、要所要所でタメを効かせるクラシック風アーティキュレーション(いや、紛れもなくクラシックギタリストなのだが、最近ではこういうのは流行らなくなってきているので)。そんな奏法によるアプローチが、Villa-Lobos のプレリュード等では上手く映え、Baden Powell のサンバでは裏目に出ているような気がする。
彼の場合、スペインものはもちろん、バロックから近代ヨーロッパまで全方位的なレパートリーを持つ演奏家であり、この南米ものはその一つに過ぎない。なので、昨今のブラジリアンギタリストと並列に置いて比較するものでもないだろう。華に欠けるきらいがあるが、優しく丁寧で、かといってクドすぎない。魅力的な演奏ではある。
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