2004年12月5日
プロフィール 多くのハワイアンミュージシャンに曲を提供し、アルバム制作に参加しているホノルル在住のミュージシャン。とはいうものの、彼の出身は本土東海岸のフィラデルフィアで、バークレイ音大で学びLAでのミュージシャン活動を経て、'83年からハワイに移住したとのこと。そんな訳だから、Bryan Kessler の音楽にはテイストの一部としてのハワイはあっても、全体的には普遍的なウェストコースト・ロック…
2004年11月23日
プロフィール ブラジル音楽が、アマゾンの森に住む珍しい昆虫を採取するようにレア物発掘のフィールドのようになってしまったのは、いつの頃からだろうか。クラブシーンでDJ達が、己の先鋭さを競うようにサンプリング素材を南米音楽に求め始めた影響だろうが、昔は一部の愛好家が独占していたこの音楽ジャンルは、スノビッシュな快楽主義者が殺到する猥雑で近未来都市的なイメージに変貌しつつある。 さて、そんな流れとは全…
2004年11月23日
プロフィール フォークミュージックという言葉は、日本人にとって自国ポピュラー音楽の歴史をひもとく時に避けて通れないものだ。吉田拓郎や井上陽水、はっぴいえんどまでが「フォーク」だった中学生時代にその言葉の意味が民謡だと知りはしたものの、漠然と「ああそうか」と思っただけだった。国内ミュージシャンが憧れた Bob Dylan や Kingston Trio、Pete Seeger や Woody Gut…
2004年11月23日
プロフィール スウィングギターの祖 Django Reinhardt は死後50年を経た現在でも名声が高まる一方だが、彼と同じ'30年代のパリで活躍したもう一人の名ギタリストを、ご存じないマヌーシュスウィング・ファンに紹介しておきたい。アルゼンチン生まれの Oscar Aleman である。 Oscar Aleman は、Moreira Sextet という家族楽団を営む一家に生まれ、6歳のとき…
2004年10月30日
プロフィール クラシックギター界でも著名な、メキシコシティ在住の作曲家兼演奏者。彼は自身の作風をネオ・ロマン派であると同時にネオ・印象派なのだと表しているが、確かにラディカルな現代の作曲家の中にあって Julio Cesar Oliva は新しい響きを伴った「懐かしさ」を持つ楽曲を生み出している。若い頃はレコードを聴きながらギターを習い覚えステージにも立っていたが、ある日彼の演奏に感動したマリアッ…
2004年10月30日
プロフィール 日本のトップギタリスト Char の盟友であり、そして彼に劣らぬ技量とエネルギーが炸裂する「石やん」こと石田長生。日本の Steve Cropper と呼ぶ人も。日本中が沸き返ったエレキブームのさなかにギターと出会い、'75年にはメンフィスに渡米して幾多のソウルミュージシャンに揉まれる武者修行の過去を持つ。そんな風に漆黒のフィーリングを我がモノとしている石田長生だが、ソウル系を自認す…
2004年10月30日
プロフィール こんにちのハワイアン・コンテンポラリーミュージックシーンを代表する、ホノルル在住の若手実力者。日本ではウクレレプレイヤーとしての知名度が高いかも知れないが、ギターからキーボードまでこなすマルチプレイヤーである。筆者としては Gabby Pahinui の流れを汲むトラディショナルなスクラックキーギターを愛する立場だが、ハワイの現状としては最も活気があって優れた人材なり資本なりが注がれ…
2004年10月24日
プロフィール 無国籍風でつかみどころの無いギターインストゥルメンタルを奏でる Michael Gulezian は、アルバム枚数こそ少ないものの Takoma レーベルでメジャーデビューを飾り、多くの玄人筋ギター音楽愛好家からリスペクトされたフィンガーピッカーだ。彼の生まれ育った家庭では、母がアメリカ民謡を唄い父はウードで中東の音楽を奏でるという独特な音楽環境があったという。それが浮遊感のある彼の…
2004年10月24日
プロフィール ロックシーンにおいてエレキギター・インスト中心の「サーフロック」と呼ばれる形態は、かなり興味深いジャンルじゃなかろうかと思っている。それは現在活躍しているプレイヤーが、シーンが一度絶滅に近い状態となり後継者が無くなった後で、当時の空気や技法などを知らないままに古い音源等の「遺産」を元に自己のイメージを多分に投影させた活動を行っているように見えるからである。だからたとえば、「オヤジバン…
2004年10月24日
プロフィール Jim Hall がジャズギターの代名詞と言ってもさしつかえない存在として想起されるのは、ジャズのレコードとしては異例の大ヒットになった「アランフェス協奏曲」のせいだけではない。あのまろやかで包み込むようなギタートーンのイメージとは相反して、彼の本質が常に先鋭的で変化を続けていこうとする、ジャズそのものだからである。 Jim Hall は、1930年にニューヨーク州の音楽好き一家の中…